治療Q&A

Q. いろいろなT細胞がありますが、何が違うのですか?

胸腺で教育・選別されたものが、機能別に分化しています。

 骨髄の造血幹細胞からつくられたリンパ球のうち未熟なものは、心臓の上にある胸腺という器官に集められて、未熟なリンパ球をT細胞へと教育します。胸腺(Thymus)由来の免疫細胞なので、T細胞(リンパ球)と呼ばれています。胸腺ではαβ型とγδ型に分かれ、8割方はαβ型となります。次の教育段階で、キラーT細胞(CTL)とヘルパーT細胞へ分化することが許された成熟T細胞(CD4T細胞、CD8T細胞)が、血流の中へと出てきます。胸腺から移出した成熟T細胞は、まだ抗原刺激(攻撃目標情報)を受けていないという意味で〝ナイーブT細胞(ナイーブ=無知・未経験)〟と呼ばれます。ナイーブT細胞はリンパ節内で、各リンパ節の所属エリアからやってきた樹状細胞と接触を繰り返して、がん細胞の特徴を覚えてやっと任務に当たります。任務を与えられるとやる気を出して増殖期に入り、機能ごとに分化を始めます。CD8T細胞はキラーT細胞へ、CD4T細胞はヘルパーT細胞の1型(Th1)、2型(Th2)になります。「キラーT細胞」は教えられたがん細胞を攻撃し、その役割を終えると「メモリーT細胞へと分化して記憶したがんの情報(目印)を保持したままリンパ節で生き続けます。「ヘルパーT細胞」は司令塔のような存在で、免疫の働きを監視して指示を出します。1型はキラーT細胞をパワーアップ(活性化)させ、2型はB細胞にがんに対する抗体をつくらせる役割を担います。その他に、「制御性T細胞(レギュラトリーT)」「NKT細胞」「γδT細胞」の集団があります。
 
 当クリニックでは、ナイーブT細胞を増やす治療法に最も期待をしています。ナイーブT細胞は、キラーT細胞・ヘルパーT細胞にも分化する若さがなんといっても魅力です。キラーT細胞はメモリーT細胞へと分化し、ヘルパーT細胞も1型・2型へと分化もしていきます。さまざまなT細胞に変身してくれるナイーブT細胞を培養するには特殊な技術が必要です。現在では当クリニックを含め、京都府立医大など全国で5か所しか行っていない『ナイーブT細胞による強力な免疫細胞療法』を北海道で受けることが可能です

T細胞 αβT細胞 ヘルパーT細胞(司令部隊)・・・
樹状細胞やマクロファージからがんの情報(抗原)を教えてもらい、キラーT細胞に攻撃の指令を出します。
キラーT細胞(攻撃部隊)・・・
樹状細胞やマクロファージからがんの情報(抗原)を教えてもらい増殖。ヘルパーT細胞からの指示でがんを攻撃。寿命がくるとメモリーT細胞になります。
制御性T細胞(鎮静部隊)・・・
キラーT細胞が興奮しすぎて正常な細胞まで攻撃しないように抑制・制御します。
γδT細胞 αβT細胞とは違うがんの情報に反応するT細胞の少数集団。
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