治療Q&A

Q. ハイパーサーミア(温熱療法)はどんな効果があるのですか?

細胞を「強く」「元気」にします。

 いろいろな病気の根本的な原因は、タンパク質が傷害されることによって起きています。この傷ついたタンパク質を修復してくれるのが「HSP(ヒート・ショック・プロテイン)」というタンパク質です。熱というショックを受けて細胞からつくられますので、体を加温することでHSPを誘導します。正常細胞は44度までの体温上昇に耐えられますが、がん細胞は42.5度で死滅します。ですから、42〜43度に加温するとがん細胞だけが死ぬという理屈になります。これを利用したがん治療としての温熱療法ではなく、HSP誘導を目的とした41度で加温するマイルドハイパーサーミアを当クリニックでは行なっています。併せて、HSPを体内に増加させる内服薬も利用しますので、従来の温熱療法よりも進化したものです。
 
 タンパク質はアミノ酸がたくさんつながったものです。ひも状やシート状に連なり、複雑に折れたり巻いたりして空間的に形づくられて立体的になります。がんやその他の病気になるとその形が変形するので、HSPが正常な形に戻してくれるわけです。加温によってHSPをたくさん発現させることで、異常なタンパク質を正常で健康なタンパク質に転換・再生させるのがマイルドハイパーサーミアというわけです。ヒトはタンパク質の固まりですから、その構成物質であるタンパク質を強く、元気にすることでがん細胞をアポトーシス(自然死)に導いていきます
 
 マイルドハイパーサーミアは、抗がん剤や放射線療法の効果も高めます。加温による血流量の増加で効率よく薬をがん細胞に運べたり、免疫システムを活性化してくれたりするからです。また、がんは抗がん剤が効かなくなる「耐性」を獲得しますが、そのメカニズムを一部阻害します。そして放射線は血管近くが得意で、温熱療法は離れた部位が得意なのです。がん組織はとても頭のいい細胞群です。いくら優れたがん治療を施しても、免疫機能から逃避しています。ですから、免疫システムが本来の働きができるように二重三重でバックアップする必要があります。

Page Top